Blackmagic Design社のデバイスを取り付けたPCで4K60p再生時にコマ落ちが発生する

[茶田郎]

◇現象
BMD社のデバイス（DeckLink 4K Extreme 12G）を取り付けたPCで
4K60pのMOVファイル（ProRes422）を再生するとコマ落ちが発生する。
１分間の尺の動画で100フレーム近く落ちることも・・・

◇発生環境
Windows10（22H2）
HP社Z6G4 Workstation
Premiere Pro 23.6
DeckLink 4K Extreme 12G（Driver 12.5.1）

◇素材のフォーマット
画像のサイズ : 3840 x 2160
フレームレート : 59.94
ソースのオーディオ形式 : 48000 Hz - 16 bit - ステレオ
プロジェクトのオーディオ形式 : 48000 Hz - 32 ビット浮動小数 - ステレオ
トータルデュレーション : 00;01;30;59
ピクセル縦横比 : 1.0
アルファ : なし
カラースペース：Rec. 709
コンプレッサー = Apple ProRes 422

◇試した事
・シーケンス設定のタイムベースを29.97 フレーム/秒に変更
　＞コマ落ち改善

・環境設定の再生にて「Mercury Transmitを有効にする」のチェックを外す
　＞コマ落ち改善

・BMD社のMedia Express（3.8.1）から再生させた時にはコマ落ち発生はしておりません。

回避策等ご存じの方がいれば教えていただけないでしょうか？

[Ckun]

60pのコマ落ちは、私もトラウマに近いものがございます……（参考リンク DeckLinkユーザの方はWindows 10 2004へのアップデートにご注意 - Adobe Support Community - 11511443  ）。

現状、私の手元の環境（Core i9 10980XE, GTX1080, Windows 10 Pro 22H2, Premiere Pro v.23.6, DeckLink 4K Extreme 12G, Blackmagicのドライバ12.4.2）では、XAVC-I 300 3840×2160 59.94p (Rec.709 SDR)の素材は、コマ落ちなく再生できております。先ほどから再生を試しておりますが、15分ほど経過して今のところ駒落ちインジケーターは緑です。

（再生開始直後に1フレ落ちることは、しばしばございます。）

お書きいただいた環境と比較すると、ハードウェアの構成のほかにはブラックマジックのドライバのバージョンが私の手元では異なるのですが、なかなかそれが原因とは言いにくい面もございます。

[追記]：コーデックも異なりました。いま手元にProResの4K60p素材がないので、のちほど用意して試してみようと思います。[追記終わり]

もし以前は問題がなかったといった状況でしたら、それ以降に加えた変更を洗い出してみていただくといかがでしょうか。

【9/7 16:50 さらに追記】

ProRes 422 HQの3840×2160 59.94pの素材で試してみましたところ、XAVC-I300より駒落ちしやすい傾向が見られました。

プログラムモニターの設定（レンチボタン）から「高品質再生」を選択していると顕著で、1分ほど再生して駒落ちインジケーターを見ると1600フレームほど落ちていました。

「高品質再生」のチェックを外していると、再生開始後1分で4コマほど落ちました。

「Mercury Transmit」を無効にしてSDI出力をOFFにすると、「高品質再生」を選択した状態でも駒落ちはだいぶ改善されました（1分ほどの再生で、駒落ちはゼロか2,3コマ程度）。

ProResとXAVC-Iのデコード負荷の違いなどがあるかもしれないのですが、ユーザーの側ではどうにもできないような気もいたしまして、少し根の深い問題かもしれないように感じております。

[茶田郎]

Ckun様

いつも私の質問のサポートを頂きましてありがとうございます。

不思議な事にこちらでもXAVCの4K60pのファイルはコマ落ち無く再生できています。

こちらで試したコーデックは３つで、ProResとDNxHRがコマ落ちしてXAVCがコマ落ちしません。

また、同じ環境でAJA社のデバイスではコマ落ちは発生していません。

[Ckun]

状況のご返信、ありがとうございました。

少し前に前の返信に追記したところでして、ProRes 422 HQのファイルでは私の手元の環境でもコマ落ちしやすい傾向がございました。

解決とはいえませんが、「高品質再生」のチェックを外していると再生開始後1分で4,5フレーム程度の駒落ちに抑えられたのですが、いかがでしょうか。

[茶田郎]

Ckun様

早速、高品質再生の項目を確認してみましたが元々チェックは入れておりませんでした。

[Ckun]

状況のご返信、ありがとうございました。「高品質再生」は既にOFFでお使いだったのですね。

今回のケースは

>同じ環境でAJA社のデバイスではコマ落ちは発生していません。

とのことから、Blackmagic Designのドライバ側にも原因の一端がある可能性も否めないように思います。

Blackmagic Designにも問い合わせいただくと、すぐに解決はしないかもしれませんが何か情報が得られる可能性があるのではないかと思います。

また、アドビ側に働きかけるということですと、下記リンク先に「バグ」として報告する形になるかと思います。

Premiere Pro - Adobe Support Community  

いまこのページをパソコンのWebブラウザでご覧の場合には、画面右側の「トラブルシューティング・バグ・機能改善リクエスト」を展開して表示されるリンクと同じものです。

英語版のフォーラムですが、日本語でOKということになっています。

とはいうものの、なかなか日本語の投稿に対しての反応が鈍いことも事実のようでして、悩ましいところではあります。下記の説明も、バグレポートの参考になるかと思います。

How do I write a bug report? - Adobe Support Community - 13361863  

以下、ほぼ余談ですが、私の手元の環境にてタスクマネージャーで負荷を確認してみますと、コマ落ちがひどい「ProRes素材にて「高品質再生」を選択した状態」では、GPU(GTX1080)の使用率が99％〜100%になっていまして、GPUがボトルネックになっている可能性もありそうです。

XAVC-I素材の場合は、同環境でGPUの使用率は75%程度でした。

画質設定に関わらず、CPU(i9 10980XE)の負荷はProResで45%、XAVC-Iで25%程度で、コーデック本来の複雑さ（処理の重さ）はさておき、Premiere Pro上ではXAVC-IよりもProResの方がやや負荷が高く見えます。

素材のビットレートは、XAVC-Iの600Mbpsと比べてProRes 422 HQは1600Mbpsを超えているので、私の手元のパソコン環境的にはそもそも結構厳しい状況ではございます。

[茶田郎]

Ckun様

情報提供頂きましてありがとうございます。

Adobe社へのバグレポート提出とBlackmagic Design社に状況報告を行いました。