核心の部分は @silk-m さんの説明の通りです。 簡潔明瞭にして必要十分ですが、背景がわからないとちょっと難しいかもしれません。 もし理解が難しいところがあったら、さらに質問してみてください。 私からは、関係する周辺の事情を、少し突っ込んで説明しておきます。 特色で印刷する場合(212Cの色の特色インキを練って、そのインキで印刷するということです)、212Cの色を再現するのは印刷機のオペレーターの仕事です。入稿したデータは、製版工程で、他の色の版とは別に、212C専用の版がつくられ、その版の通りにインキを紙にのせていくことになります。練ったインキの色や、インキの量などによって色が決まります。この時、データ上でCMYK値がどんな数値になっているかは関係がないため、画面上の見た目やCMYK値が違っていても問題はありません。 どちらかというと、クライアントの手元の見本帳(a)、ご自身の手元の見本帳(b)、印刷会社のオペレーターの手元の見本帳(c)の色が一致しないことの方が問題です。同じ番号の色でも、実はまったく同じ色には刷り上がっていないし、劣化の程度も異なります。正確な色再現を行う場合は、どの見本帳を基準にするか決め、皆で同じものを見る必要があります。色を指定した人が見本帳のチップを付けるのが原則ですが、指定を受けた側のデザイナーが用意してクライアントに渡してOKをもらい、印刷会社にもデータと一緒にチップを付けて入稿する場合もあります。指定する側がだれもチップを持っていないので、印刷会社にチップを分けてもらい、クライアントまで遡って共有することもあります。 こちらは @Yamo-nov さんがまとまられたDICカラーガイドの例ですが、同様のことがPANTONEなど全ての色見本帳について言えます。 DICカラーガイドの色を16版と19版で比較してみた - Togetterまとめ CMYK分解で印刷する場合、特色のまま入稿すると、製版工程で特色専用の版がCMYKとは別につくられてしまうため、あらかじめCMYKに置き換えておく必要があります。(これまで特色のまま入稿していたのであれば、製版のオペレーターが後始末をしてくれています。この場合、どんなCMYK値で印刷することになるのかは、人任せであるため予測できません。これまで製版側ではどうしていたのか、自分はどうすれば良かったのか、できるだけコミュニケーションをとってください) この時、どんな意図で見本帳から色を選んでいるのかによって、考えるべきこと、すべきことが異なります。一度PANTONEの指定からCMYK値に変えてしてしまうと、その後の工程での調整は困難になってきますので、責任重大です。 これまで継続的に仕事をしているクライアントからの仕事で、いつものようにPANTONEで色が指定されてきている場合。これまで問題にならなかったのであれば、まず重視すべきは一貫性です。色味そのものは、これまで通り「余り気にしないでください」ということになりますが、以前と同じ数値になっているかどうかには気をつけて下さい。ドキュメントのカラープロファイルやマッチング方式が異なれば全く違う値になってしまいます。ここからもう少し踏み込む際は、より望ましい方法を採用する前に、何がどう変わるのか事前に共有して納得・了解を得ながら進める必要があります。 チップを付けて指定されている場合、ご自身で指定されている場合、また何らかの仕様書がある場合など、この色を再現したい!という意志がはっきりしている場合は、スウォッチの色を指定するだけでは再現性が低いので、印刷所と協力してCMYK値を決め、色校正を通じて微調整を行っていく必要があります。具体的な方法としては、印刷所で実際に使用する紙に刷った4色掛け合わせのカラーチャートとにらめっこして色を選んだり、印刷所にお任せで「このCMYK値を指定して下さい」と決めてもらったり、チップを測色機で測定して得たL*a*b*を、印刷所の色分解設定(ICCカラープロファイル)や、汎用のJapan Color 2001 Coated(フィルム/PS版)、Japan Color 2011 Coated(CTP)の「絶対的な色域を維持」でCMYKに変換したり、などが考えられます。 鮮やかな色や、金、メタリック、ネオン等、見本帳の色の中でもCMYKで再現の難しい色を使われる場合は、単純に再現を目指すだけでは明確なゴールを決めることができません。スウォッチ・色見本帳のCMYK値を使用してもあまり意味がありませんので、その印刷物の全体のカラーとのバランス、印刷物が使用される場面・環境などを考慮して、どんな色に決めれば最適なのかを考えることが必要になります。
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