色の違いや変化の具合を文字であらわすのは難しいので、私が正確な状況をくみ取れないこともあるかもしれないという前提ではございますが、
>・YouTube等に対応するようRec.709で書き出すと”全体が非常に薄ら白い”映像になる”
とお書きいただいていることから「iPhoneで撮影されたHDR (Rec.2100 HLG)の映像を、色域・ガンマ変換を経ずにRec.709環境で再生している(技術的に誤った状態)」と仮定して返信してみます。
本題に入る前に、重箱の隅をつつくようで申し訳ないのですが、
>HEVC空間で編集作業をし
この「HEVC」というのは色空間を表すものではなくコーデックの種類でして、H.265の別名でございます。H.264の別名がAVCとうことと同じものです。
「iPhoneで撮影されたHDRの素材」は、色空間はRec.2100(※色域はRec.2020と同じで、HDR)でガンマはHLG(ハイブリッドログガンマ)でして、それを編集してSDR Rec.709で書き出すという流れととらえて以下返信いたします。
まず第一に注意が必要なのは
>実は以前にLumafusionで編集済み(非常に多カット)
という部分です。あいにく私はLumafusionというアプリの使用経験がなく仕様もわからないのですが、iPhoneで撮影したHDRの素材を正しくHDRとして(もしくは正しく色域変換して白飛びしないようトーンマッピングされたRec.709として)扱われているのか、確認が必要になると思います。
ですので、ひとまずPremiere Proでの色管理をご確認いただくために、iPhoneで撮影したオリジナルのHEVCのファイルをPremiere Proに読み込んで、ご確認いただければと思います。
>①_一旦Rec.709に書き出した素材をPremirerに読み込みRec.709の色空間で作業する。
>②_HEVCのままPremirerに読み込み、Rec.709の色空間で全てのカットの作業をする。
こちらにつきましては、①については「ファイル変換」を意図してのものかと思うのですが、特別な意図がない限りはその必要はございません。
基本的には②の方法で良いと思うのですが、Premiere Proの作業カラースペースに「広色域」の設定が搭載されましたため、「広色域」のシーケンスで作業してRec.709で書き出すか、「Rec.709」のシーケンスで作業してRec.709で書き出すかという、おおまかに2択になってきます。
『「Rec.709」のシーケンスでHDRの素材を編集すると、せっかくのHDRの映像がSDRにトーンマッピングされた状態での編集になるので、白飛びなどを修正できない』という内容を耳に(目に)することもあると思うのですが、Rec.709のシーケンスでも入力のトーンマッピングは個別に調整可能ですので、私個人的にはちょっと違うのではないかな?と思っております。
Rec.709で公開する前提の作品でしたら、Rec.709のシーケンスで編集する方が、SDR素材にニー補正が余計にかかってしまう弊害を避ける意味でも無難だと思っております。
少々前置きが長くなってしまいましたが、「プリセット:ダイレクトRec709」のシーケンスにiPhoneで撮影したオリジナルのMOVファイルをのせていただき、その映像をご確認いただくところから始めていただければと思います。
その結果、「思っていた色味と違う」といったようなことがございましたら、改めて詳細をお教えいただけましたら、できる範囲で返信いたします。
ちなみに、「色域」と「ダイナミックレンジ」は異なるものでして、Rec.2100 HLGとRec.709の相互変換で発生する問題を取り上げるときには色域のこと(人工的な濃い赤や炭火の色などの飽和などなど)なのかダイナミックレンジ(明るい部分の白飛びなどなど)のことなのか、分けて考える必要もございます。
シーケンス設定の例。四角で囲んだ部分でSDR・狭色域変換時のニーや露光量、色域圧縮の方法など選べます。基本はデフォルトで良いと思います。HDRでも白飛びしている素材なのであまり良い例ではないですが、HDR素材のダイナミックレンジを生かしたまま露光量を下げることができる例です。約-2にしても、ハイライト部分は100%になっています。