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59.94i(29.97fps)で指定されたシーケンスで編集作業を行うのですが、素材は59.94pで撮影しております。
この場合、例えば今後撮影するビデオカメラの設定値を29.97pにしても問題ないのでしょうか?
カメラ側の設定値に59.94iがなかったため揃えられず、かといって59.94pのままだとデータサイズもやや大きくなってしまうため、59.94pで撮影した意味やメリットがどの程度あるのか知りたいです。
ちなみにスローは使わず、スポーツなど動きの多い映像ではありません。
インターレースについては、元々が「飛び越し走査」という最初の1/60秒で奇数ライン、次の1/60秒で偶数ラインを走査する仕組みでして、一から正確に説明するのは少々難しいものです。
(私は20年近く映像業界にいる、ポストプロダクションの技術職です。少し正確性を無視しつつ分かりやすく説明しようと思いますが、どうしても難しくなる部分があるかもしれませんがご容赦ください。)
>私の認識を一旦整理すると、29.97pは29.97fps、59.94iも29.97fpsとなると画面の動き方は同じではないのだろうか。
ここがまず、異なります。29.97fpsというのは、毎秒29.97枚のフレームで構成されるということを意味します。
先にプログレッシブの方を説明しますと、HDの29.97p(29.97fps)というのは、毎秒29.97枚の1920×1080の画像を記録する方式です。時間軸方向の情報としては、29.97枚の画像しかありません。
HDの59.94iは、1枚のフレームのうち、奇数番目のラインが最初の1/60秒の映像、偶数番目のラインが次の1/60秒の映像となっており、1枚のフレ
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こんにちは、defaultfhqgdcsn5unr さん
まず、OSとそのバージョン、Premiere Proのバージョンを教えて頂けますか。
>59.94i(29.97fps)で指定されたシーケンスで編集作業を行うのですが、
Premiere Proでは、「AVCHD 1080i30(60i)」のプリセットになると思います。
>素材は59.94pで撮影しております。
素材は1フィールドずつ間引きして使用されます。
シーケンス設定の「フィールド」項の設定(奇数フィールドから、偶数フィールから)により、奇数番目または偶数番目を使用するかが決まります。
>ビデオカメラの設定値を29.97pにしても問題ないのでしょうか?
問題ないと思います。
59.97fpsで撮影しても、編集では、奇数番目または偶数番目が使用されることになりますので、29.97fpsと同じことになると思います。
>59.94pのままだとデータサイズもやや大きくなってしまうため、
画像枚数が倍になるわけですから、ファイルサイズも単純に倍になると思います。
>59.94pで撮影した意味やメリットがどの程度あるのか知りたいです。
59.94fps撮影、59.94fps編集なら、パラパラ漫画の原理で画像が倍になるわけですから、より滑らかな映像が得られると思います。ただし、編集のPCはより高性能化を要求されます。
59.94fps撮影、29.97fps編集なら、59.94fpsで撮影してもファイル容量が倍になりメリットはないように思います。
後になって、機材等が高性能化・安価になり、59.94fps編集が一般化すると推定した場合等は、59.94fpsで撮影しておくというのも選択肢にあるかも知れません。
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大変ご丁寧な返信を頂き、誠にありがとうございます。
・編集はMacOSで行いますが、バージョンは場所によって異なる環境です。
・Premiere Proのバージョンは2021で作業をしております。
・プリセットはあまり詳しくないのですが、納品規格に沿っているだろうXDCAM HD422の 1080i30(60i)にしております。
・最終工程の編集用PCはMacProですので、重くならないよう素材(XAVC-I)をProRes422等に変換します。
・ご指摘の通り59.94fpsでの編集機会があればですが、当面は29.97fpsのようでして、それなら59.94pでの撮影のメリットがないのでは?という疑問が浮かんできたという次第でございます。
せっかく素材としては綺麗な映像を撮れても、納品規格(59.94i)の指定がある以上、もったいないですがメディアや各種ドライブの容量を逼迫させるだけなので次回以降は設定を変更することになるという認識です。
ひとつひとつわかりやすいご説明、ありがとうございます。
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>59.94i(29.97fps)で指定された
とのことですので、指定した側(納品先でしょうか)は59.94iでの納品を期待しているものと思います。59.94iというフォーマットは、ざっくり申しますと29.97fpsでありながら1フレームに2コマ分の映像が格納されていて、再生時の画面のフレームレートは「59.94fps」になるものです。
ごく普通の地上波テレビ放送のスポーツ中継をご覧いただくと、29.97fpsでありながらなめらかな映像に見えると思います。これは、59.94iは59.94fpsと同等だからです(厳密には、垂直解像度が落ちますが、人間の視覚的には半分までは下がりません。)
>この場合、例えば今後撮影するビデオカメラの設定値を29.97pにしても問題ないのでしょうか?
29.97pで撮影しますと、59.94iで納品しても中身は29.97fpsの動きなので、少しカクカクした感じになります
(オプチカルフローで何とかする手も無いわけではないのですが……)。
それが許容されるのでしたら29.97pで撮影して大丈夫とも言えますが、59.94iの滑らかな動きが必要でしたら、この場合59.94pで撮影せざるを得ないかと思います。
【追記】
誤解の無いよう、少し追記します。
59.94i (29.97fps)と29.97p(29.97fps)は、全く別の規格です。
比較的動きが少ない映像(バラエティ番組やニュース、ドラマなど)でも、59.94iの動きと29.97pの動きの差は出ますので、例えばアクションカムやドローンなどの映像でENGカメラの59.94iと動きの質感を合わせる場合には59.94pで回します。その後、編集のワークフローに合わせて59.94p→59.94iに変換したProResやMXFで編集していただいたり、余力があればシーケンスは59.94iでも素材は59.94pのまま編集するケースがあると思います。
59.94iのシーケンスで編集する前提の場合、前者の59.94iに変換するパターンではENGやスタジオ収録などほかの59.94iの素材と同等に扱えるというメリットがございます。後者の59.94pのまま扱う場合には、編集中の拡大や縮小がキレイに行えるメリットがあります。
ちなみに、少しシネマチックな表現をしたいドラマなどの場合には、59.94iの放送でも29.97p収録を行う場合がございますが、59.94iの半分のフレームレートになりますので、少しカクカクした演出効果が得られます。
XAVC Sなど59.94iというフォーマットが存在しない記録モードでENG代わりに使用する際には、必然的に59.94p一択(ポスプロ前に59.94i変換するか否かは環境に寄りけり)ということになるわけです。
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Ckunさま
ご返信くださり、ありがとうございます。
ご指摘の通り納品先からの指定が59.94iです。
インターレースとプログレッシブの違いはある程度理解しているつもりなのですが、
私の認識を一旦整理すると、29.97pは29.97fps、59.94iも29.97fpsとなると画面の動き方は同じではないのだろうか。
問題は59.94iにおける1フレームを構成する2フィールドの映像は同じであるか、それとも異なる可能性もあるのかどうか、ここが私は理解できておりません。
Ckunさまのコメントにある「1フレームに2コマ分の映像が格納されて」とあるのはひとつの映像(仮に「Aコマ」とします)が上位と下位フィールドに分割(「A上位」と「A下位」で2コマ)されるのか、それとも異なる画面(AコマとBコマ)がそれぞれ上位と下位に分類されて構成される(「A上位コマ」と「B下位コマ」、映像の枚数的には実質59.94fpsでなければならない)ことで、私が考えた29.97pでの撮影素材だと
「59.94iで納品しても中身は29.97fpsの動きなので、少しカクカクした感じになります」
というご意見になるのでしょうか。
より綺麗な映像のために「少しカクカクした」部分を59.94pの映像で補完することになるため59.94pで収録する必要がある、という捉え方で間違いないでしょうか。
技術的に初心者かつ拙い文章のためわかりにくい部分があるかと存じますが、宜しくお願い致します。
参考としたURL:こちらのフレームレートにあるような説明がいまいち理解できておりません
https://www.ediusworld.com/jp/pimopic/cat7_156.html
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インターレースについては、元々が「飛び越し走査」という最初の1/60秒で奇数ライン、次の1/60秒で偶数ラインを走査する仕組みでして、一から正確に説明するのは少々難しいものです。
(私は20年近く映像業界にいる、ポストプロダクションの技術職です。少し正確性を無視しつつ分かりやすく説明しようと思いますが、どうしても難しくなる部分があるかもしれませんがご容赦ください。)
>私の認識を一旦整理すると、29.97pは29.97fps、59.94iも29.97fpsとなると画面の動き方は同じではないのだろうか。
ここがまず、異なります。29.97fpsというのは、毎秒29.97枚のフレームで構成されるということを意味します。
先にプログレッシブの方を説明しますと、HDの29.97p(29.97fps)というのは、毎秒29.97枚の1920×1080の画像を記録する方式です。時間軸方向の情報としては、29.97枚の画像しかありません。
HDの59.94iは、1枚のフレームのうち、奇数番目のラインが最初の1/60秒の映像、偶数番目のラインが次の1/60秒の映像となっており、1枚のフレームに1/60秒の時間差のある2枚の映像(フィールド)が格納されています。
誤解を恐れず申しますと、1920×540の画像2枚が、1920×1080のフレーム1枚に入っていますので、(表現としては技術的には不正確ですが)『1920×1080 59.94i 29.97fps = 1920×540 59.94fps』というイメージです。
単純に1920×540と考えると垂直方向の解像度が半分になってしましますが、実際には奇数・偶数交互であることと、受像機側のi/p変換が優秀なので、ほぼ1920×1080 59.94fpsと遜色ない表示が得られます。
たまに、「インターレースだから動きのある部分が櫛状になっている」という言われ方をしますが、時間差のある2枚の画像が入っているからズレが櫛状に見えているだけでして、正しく放送されるなりしてテレビで表示される際には、櫛状にずれて表示されることなく毎秒59.94枚の映像として再生されるわけです。
>より綺麗な映像のために「少しカクカクした」部分を59.94pの映像で補完することになるため59.94pで収録する必要がある、という捉え方で間違いないでしょうか。
これも考え方としては誤りということになります。補完ではなく、59.94iの映像を得るためには確実に必要な情報ということになります。
別な見方の方が分かりやすいかもしれません。例えばAVCHDカメラや一部のXDCAMカメラでは、「59.94i (29.97fps)」と「29.97p (29.97fps」の2種類の記録モードがあります。
それぞれ実際にテレビでご覧いただくと、映像の質感が全く異なることはお分かりいただけるかと思います。
それに対して、59.94iと59.94pは、あまり差が分からないと思います。
(技術者的には、細かい横線のちらつきなどに差が出ることはよく知られています。)
HDの29.97pは、毎秒29.97枚の1920×1080の映像を記録します。どう頑張っても、時間軸方向の情報は毎秒29.97枚しかありません。
59.94iは、先ほど書きました通り(誤解を恐れず書くならば)1920×540 59.94fpsのことですから、時間軸方向に59.94枚の映像があります。
ですから、59.94i (29.97fpd)と29.97p (29.97fps)は時間軸方向の情報量が倍異なるということになります。
ここで、59.94iを選択できないカメラにて59.94p(1920×1080 59.94fps)で撮影した素材であれば59.94iに無理なく変換できる理屈を説明してみます。これはとても簡単です。
まず、59.94pで撮影した映像の1フレーム目から奇数番目のライン540本を抜き出します。次に59.94pで撮影した映像の2フレーム目から偶数番目のライン540本抜き出します。そして、それら奇数・偶数の各540本のラインをまとめて1枚のフレームを作成します。こうしてできたフレームが、59.94i(29.97fps)の1フレームです。
同様に、59.94pの3フレーム目の奇数ラインと4フレーム目の偶数ラインを用いて、59.94i(29.97fps)の2フレーム目を作成します。
つまり、時間軸情報としては、59.94pの素材の情報を余すところなく使っています。
別の見方をすると、1920×1080 59.94fpsで撮影した映像から、交互に偶数番目と奇数番目のラインを間引いた結果が59.94i (29.97fps)とも言えます。
59.94p(59.94fps)から59.94i(29.94fps)への変換で間引いているのは垂直方向の空間情報であって、時間軸方向の情報では無いことに十分な注意が必要になるかと思います。
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大変わかりやすくご説明下さり、誠にありがとうございます。
概ね理解することができました。
空間情報(p, i)と時間情報(59.94, 29.97)でについてのご説明が非常に腑に落ち、インターレースについての私の誤った認識(フィールドとフレームの関係性)も解消することができました。
映像の画質は60p>60i>30pとなっていくということですね。
以前ProRes変換についてもわからないことが多く、またそれ以外も他の方のディスカッションに残されたCkunさまの的確なコメントから多くを勉強させて頂いております。ポスプロの技術職とのことで大いに心強く、また納得致しました。
この度はありがとうございました。引き続き、機会がございましたら何卒宜しくお願い致します。
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ひとまず解決につながりそうで何よりです。
文字だけの説明なので分かりにくかったと思いますが、基本的にはあまり深く考えず「59.94iだから毎秒59.94枚のフィールドで構成される滑らかな動画」という認識をしていただけるだけで十分かと思います。
59.94p素材を59.94iで扱う際の失敗談を聞くことは時々ございます。
慣れているはずの技術会社さんでも「59.94p→59.94iのMXF変換の際に、誤って別の設定を流用してしまい、29.97pで書き出してしまった」ということや、「カメラマンが59.94pなのにシャッタースピードを1/50秒にしてしまって29.97p over 59.94p収録(29.97pの映像の各フレームを2回繰り返しながら収録された状態で、実質29.97p収録と同じ)になってしまっていた」、といったことは、複数回聞いたことがございます。少し注意が必要な部分かと思います。
59.94p自体はそれほど目新しいものではないのですが、各セクションの方たちが間違いなく作業を進めて頂かないと、一番最後の担当者(オフライン編集を受け取ったポスプロの人)が真っ青になってしまうことも無いとは限りませんので^^;、何事も最初が肝心だと思っています。
ちなみに余談ですが、59.94i納品の番組でも演出の意図的に29.97p仕上げする際には、59.94pで収録した素材を意図的に29.97pのMXFやProResに書き出すこともございます。
このあたり、ケースバイケースであることや、各制作会社さんの方針(ファイルインジェストサーバの設定も含めて)など様々な要素が絡み合うので、「聞く相手によって言ってることが違う」ということもあるかと思います。
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