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Ckun
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May 17, 2026
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素材のデータレベル(レンジ)の確認・変更ができる機能がほしい

  • May 17, 2026
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【要望の概要】

カラーマネージメントと新しいカラーモードを活用するためには、「素材のデータレベル(レンジ)を正しく設定すること」が、今まで以上に重要になると考えます。

そのため、「素材のデータレベルの設定状況(フルレンジ/リーガルレンジ)を表示する機能」と、「素材のデータレベルを手動で変更できる機能」をリクエストします。
 

【理由】

Premiereは素材に応じてデータレベルを自動的に設定し、必要なレンジ変換を行なっているものと考えられますが、素材によっては誤った設定となる場合があります。

その結果、カラーマネージメントによる色域・トーン(伝達関数)の変換も誤ったレベルで行われ、正しい色調・トーンに戻すことが困難になります(注1)。
 

【問題が生じる例】

次の画像は、PanasonicのV-Log / V-Gamutを使用し、「AVC-Intra」と「ProRes 422 HQ」の2種類のコーデックで収録したMOVファイルを、Premiere v. 26.5.0 BETAのタイムラインに配置し、プログラムパネルに表示したものです。

シーケンスのカラー設定は「ダイレクト Rec709」を使用し、「自動検出されたログと Raw メディアのカラー管理」を有効にしています。

本来であれば、AVC-IntraとProRes 422の色味・トーンは完全に一致するはずです。

しかしProRes 422 HQで収録した素材では、不必要な「リーガルレンジ→フルレンジへの拡張」が行われているように見受けられます。

その結果、Rec.709変換後の画像はコントラストが強くなり、暗部が0%未満に沈み込んで不正確なレベルになり、「黒潰れ」が発生します。
 

ここには、大きく分けて二つの問題があります。

一つ目は、Log素材におけるレベル管理が正しくない点です。

Rec.709収録の素材には、「フルレンジ」「リーガルレンジ(ビデオレンジ・リミテッドレンジ)」の2種類の解釈の仕方があります。そして、輝度・色差コンポーネント(YUV)で記録されるProRes 422 HQを「リーガルレンジ」として扱うことは自然な動作です。

しかしLog収録素材においては、基本的に「リーガルレンジ」という考え方はありません。

例えば、今回使用したPanasonicのV-Logでは、10bitコード値において「128」が0%のブラック、「433」が18%グレー、「602」が90%ホワイトと定義されています。

したがって、コーデック・カラー方式(RGB/YUV)の違いに関係なく、カラースペースが「Panasonic V-Log / V-Gamut」であると自動認識(あるいは手動設定)された時点で、レベルは規格に沿って扱われるべきです。
 

二つ目の問題は、このようなデータレベルの誤認識が発生したときに、ユーザー側でそれを修正する手段が用意されていないことです。

参考資料として、他社製ソフトでは正常に扱える例の画像を二つ示します。

 

他社製ソフトAは、自動的にV-Log / V-Gamutと認識され、ProRes 422 HQに対してもデータレベルが自動的に正しく設定されます。

 

他社製ソフトBは、自動設定のままではProRes 422のデータレベルがPremiereと同様に不正確になりますが、ユーザー側で手動で正しい設定に変更することができます。
 

今回はPanasonicのV-Log素材での問題を例示しましたが、同様の問題は他メーカーのLog素材でも発生すると考えられます。

また、収録やトランスコードの過程で誤ったデータレベルとなってしまった素材を救済するために、データレベルの解釈を変更したいケースもあります。
 

【まとめ】

これまで、Premiere (Pro)に素材のデータレベルを設定する機能が用意されていなかった背景には、一定の設計思想や技術的理由があるものと推測しています。

しかし、素材のデータレベルを正しく扱うことは、カラーマネージメントやカラーモードが正しく機能するための基礎とも言える部分です。

様々な種類の映像素材を正しく扱うための第一歩として、データレベルを変更できる機能の実装を強く期待しています。

==

(注1) カラーマネージメントを使用せず、LUTで色域・トーンを変換する場合には、「Lumetriプリセット」の「テクニカル」フォルダ内にある「フルレンジからリーガルレンジ」を使用することで、完全ではありませんがほぼ回避可能です。