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イラレで、オーバープリントを設定したオブジェクトの色再現に関して
事例
PDFX4で保存するとオーバープリントは正しく再現される。
最小ファイルサイズ設定で保存するとオーバープリントの設定が破棄されて保存される。
事故事案
デザイナーが、意図せずにオーバープリントを設定しクライアントとの校正を最小ファイル設定で保存されたPDFでオンライン校正
イラレデータで入稿後印刷会社でPDFX4作成して印刷
クライアントの校了と違う印刷物が仕上がる。
データ検証で最小ファイルサイズ設定でPDFを作成するとオーバープリントの設定が破棄され
乗算は設定が活きた状態で保存される事が確認される。
アドビ社への疑問
メーカーデフォルトの書き出し設定で保存したPDFが何故設定の違いで
オーバープリントのような重要な部分の再現で違いが出るのか?
この件は意図して設定されている仕様なのか?
予期せずに起きているバグなのか?
アドビ本社への改善依頼は出される案件なのか?
透明効果で乗算した場合は、書き出し設定に関わらず同じ結果になるのは何故か?
今後オーバープリントを使用したい場合は透明効果の乗算を使用を推奨するという事なのか?
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>① デザイナーが、意図せずにオーバープリントを設定しクライアントとの校正を最小ファイル設定で保存されたPDFでオンライン校正
>② イラレデータで入稿後印刷会社でPDFX4作成して印刷
>③ クライアントの校了と違う印刷物が仕上がる。
>④ データ検証で最小ファイルサイズ設定でPDFを作成するとオーバープリントの設定が破棄され
乗算は設定が活きた状態で保存される事が確認される。
■
まず②ですが、Aiで入稿しているならPDFにする、しないは入稿以降の印刷会社内で適正化されたフローであって、この事故には全く関係がありません。そもそも入稿したIllustratorデータ上でオーバープリント設定されているのですから、それをどう変換しようが「入稿されたデータを、オーバープリント設定されているものも含めて忠実に」再現するのが印刷会社の仕事です。
■
④、「最小ファイルサイズ」設定はIllustrator初期設定ではなくわざわざ選ばないといけませんが、このプリセットでは全てのオブジェクト等がRGBに変換されます。オーバープリントとはCMYKでのみ行える製版的な技法であり、RGB変換すると消えるのはある意味当然かと思います。また「最小ファイルサイズ」プリセットはフォントの埋め込みを行わないプリセットです(Illustratorではサブセットが埋め込まれますが)。説明を読むとなかなか選べないプリセットかと思います。
■
オーバープリントが生きるPDF書き出し設定であっても、クライアント側のAcrobatの設定によってはオーバープリントを正しく表示できません。Acrobat環境設定を確認してもらう必要があります。
>アドビ社への疑問
(私は一般人ですが)答えますと、
これはバグではなくて、PDFはいろいろな所で様々な使い方をされる汎用のフォーマットであるため、印刷目的・印刷のためのオンライン校正目的といった明確かつ精度の高い情報のやり取りには、そのための適切な設定で書き出さなければ様々な問題が起きます。
本件は
以外に解決策はありません。その間違った設定で書き出した校正用PDFを校了紙として渡していないのであれば、印刷会社は今回は全く無関係です。
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返信ありがとうございます。
④、「最小ファイルサイズ」設定はIllustrator初期設定ではなくわざわざ選ばないといけませんが、このプリセットでは全てのオブジェクト等がRGBに変換されます。オーバープリントとはCMYKでのみ行える製版的な技法であり、RGB変換すると消えるのはある意味当然かと思います。
に関してですが、RGBに変換する前のCMYKでの色の情報がなぜにオーバープリントを適応した数値では無いのかが疑問です。
乗算は、常時表示が乗算結果であるからRGB化が正しく行われる?
オーバープリントは、オーバープリントプレビューという演算を行わないと表示されない機能だからRGB化が正しく行われない?
という認識で良いのでしょうか?
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オーバー「プリント」は、その名の通りでRGBでなく印刷版どうしの重ね合わせの挙動をコントロールするものですから、その認識で良いかと思います。詳しくはscreenの「出力の手引き」あたりに、探すことになりますが説明図があったかと。
ところで、入稿される側だということですが、ひょっとしたら事故報告書を書け等言われてしまっているのでしょうか。
もしその問題のおかしなPDFデータが校了紙として持ち込まれたのであれば、本データと内容が異なるわけですからデータ不備になりますし(チェックミスとも言えますが)、そういうものが無くIllustratorデータで来たのであれば、もう全く印刷側に落ち度はありません。そうであれば、これは適切でないプリセットを理解せずに使用したデザイナーに100%責任があります。
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クライアントが使っているであろうAdobe Readerの初期設定では、PDF/x規格に沿ったPDFでなければオーバープリントが再現されません。
※まさか、Previrew.appやWEBブラウザデフォルトじゃないだろうと思いますが……印刷物の校正のやり取りでAcrobatを使わないと確実に事故が起きます。
↓環境設定の表示中にあります。
よって、校正であってもPDF/X規格に沿ったものでなければ正確なやり取り自体不可能です。
(もちろん、Acrobatを使う前提ですが)
それでも軽いPDFがいい、など要望があるなら、PDF/x-4プリセットを基本にして、画像解像度を100ppi、JPEG低画質(「最小ファイルサイズ」と同等)などとしてプリセットを作り、渡してやるとよいかと思います。
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返信ありがとうございます。
勉強になりました。
>ところで、入稿される側だということですが、ひょっとしたら事故報告書を書け等言われてしまっているのでしょうか。
もしその問題のおかしなPDFデータが校了紙として持ち込まれたのであれば、本データと内容が異なるわけですからデータ不備になりますし(チェックミスとも言えますが)、そういうものが無くIllustratorデータで来たのであれば、もう全く印刷側に落ち度はありません。そうであれば、これは適切でないプリセットを理解せずに使用したデザイナーに100%責任があります。
お恥ずかしい話、冊子物でデータ不備を見逃してしまいチェックミスの事故になってしまいました。
事故報告は済んでます。
対策と真の原因追求段階です。
すごく乱暴な考え方ですが、
こんなんで事故になるなら確認用のデータを受け取るなという考えも社内で出てきてます。
それはそれで、RIPエラーや人的な操作ミスが見つからなくなるので困るのですが。
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重谷真さん:
印刷事故が起きた? ということでそれには事情が痛いほど分かりますので同情いたします。
オンライン校正というものが具体的にどういうものか分かりかねますが、例えばブラウザ上でPDFを見るようなシステムを利用されているということでしょうか?
オーバープリント設定で混色を表現する場合(特色と墨の掛け合わせなど)、Yamo74さんも書かれている通りRGBモードではオーバープリントが破棄されるため順序が上にある色しか表現できなくなります。
これはバグでもなんでもなく、こういうものです。
ウェブブラウザは当然RGBによる表示になるかと思いますが、それに合わせてRGBモードのPDFで校正されていたならそういう結果になろうかと思います。
印刷会社がPDF/X-4で印刷のワークフローを組み立てているのであれば、校正もX-4で行われるべきですし、それでこのようなことが起きても印刷会社は預かり知らない話ではないでしょうか。
PDF/X規格に関する知識、Illustratorに関する知識、オーバープリントに関する知識、Acrobatの知識、それらを改めて整理されたほうがいいと思います。
後半はAdobeに対して文句を言っているようにしか読めないのですが、Adobeがどうこうと言う前に、プロである以上、扱うデータやPDFがどのような仕組みでどのように印刷されているか、それをしっかり認識されるのが先かと思います。
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>デザイナーが、意図せずにオーバープリントを設定し
ということですが、これはあり得ない、もしくはあってはならないことかと思います。
きちんとオーバープリントプレビューや分版プレビューを使って、データを確認するのがデザイナーの責務です。
印刷所は受け取ったデータに設定されている状況が正しいものとして受け取るのですから、オーバープリントが生きるのが当たり前かと思います。
Adobe社にバグだなんだと文句をいう前に、「意図せずオーバープリント設定をする」などということが起きないように注意する方が先でしょう。
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すみません。
言葉足らずでしたね。
私は受けっとてデータを忠実に処理し印刷した印刷会社の製版担当です。
製版担当として、何故にRGB変換する前のCMYKの数値が属性のオーバープリント設定では、背面の色が反映されず、透明効果の乗算では反映されるのかが一番大きな疑問です。
CMYK=4色に分解される
乗算しようが、オーバープリントしようが、その座標の色数値は背面の色の数値を考慮した値になるはず、
ならば何故にオーバープリント設定ではRGB変換する際に背面の色数値が無視されるのか?
この辺をアドビさんに聞きたいなという気持ちなのですが。
仕様ですで済まされるのは重々承知した上なのですが。
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重谷真さん:
印刷事故案件の製版担当とのこと、ご苦労されておられると思います。
>乗算しようが、オーバープリントしようが、その座標の色数値は背面の色の数値を考慮した値になるはず
そのようにはなりません。
IllustratorからPDFに保存される際、Illustratorの持つオブジェクトはPDFが引き継げる範囲でオブジェクトとして保持されます(透明の分割統合が働く場合など、例外的にオブジェクトが画像化される場合はあります)。RGB→CMYK変換はこの時のオブジェクト単位で行われます。この変換はあくまでも色空間を変更しているにすぎず、オーバープリントや透明の演算結果反映しての変換を行うようなことはありません。
つまりCMYKで運用される印刷物の校正用途に「最小ファイルサイズ」PDFは全く適していないといえます。
文面を拝見する範囲では、今回の事故要因として、
「デザイナーがIllustratorから最小ファイルサイズPDF保存した際にPDFの内容をチェックしていないこと」
「印刷会社側で入稿されたIllustratorファイルを出力見本またはそれに準ずる校了紙とチェックしていないこと」
の二点があげられるように思います。
もし出力見本等が受け取れないような状況があった場合、印刷結果がクライアントの意図通り行えるのか確認をするための校正が必須となりますが、その点が書かれていないため、どのように確認を取ったのか疑問が残ります。
ワークフロー全体を見直す機会になればよいのではないかと考えます。
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返信ありがとうございます。
根本的な部分の解釈として
CMYKカラースペースのネイティブファイルからRGBカラースペースのPDFを作成すると
オーバープリントが設定してるオブジェクトの場合
RGBカラースペースでは、オーバープリントという概念が存在しない。
存在しない概念で作成されたオブジェクトの設定はエラーなので破棄される。
結果最前面オブジェクトの情報のみがPDFに保存される。
透明効果の乗算が設定してるオブジェクトの場合
RGBカラースペースで透明効果は存在する。
結果背面のオブジェクトも反映した情報でPDFに保存される。
なるほど納得です。
カラースペースが何かによってネイティブアプリケーションでも使用できる効果項目に制限が有るのだから、作成するPDFのカラースペースがネイティブファイルのカラースペースと異なる場合作成されたPDFがネイティブファイルと同じ色になる保証はどこにも無いということですね。
そう考えると納得です。
ありがとうございました。
上記の
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申し遅れましたが、自分も印刷会社の製版部門で出力に従事しています。
僭越ですが少しだけ誤解されている部分を指摘しますと、
『RGBカラースペースでは、オーバプリントという概念が存在しない』
この部分は誤りです。
RGBオブジェクトにもオーバープリント属性は付きますし、Illustratorの最小ファイルサイズ書き出しPDFでオーバープリント属性が消えないことも確認しました。
ただし、オーバープリントとは『CMYK分版時にどう出るのか』というものなので、
CMYK→RGBに変換されたPDF上のオブジェクトがオーバープリント属性を持っていた場合、
さらにCMYKに変換し直して得られたCMYK値でオーバープリントを処理します。この時、大抵の場合、綺麗なCMYK値は得られません(0%が維持されない)ので、あたかもオーバープリントが効いていないように見えてしまいます。
大幅に脱線しましすが、こういった現象を確認しながら安全なワークフローを運用していくことが、製版には求められます。PDFワークフローを運用する上で、AcrobatProの出力プレビューで見ることができるオブジェクトインスペクターなどが参考になります。ご活用ください。
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わざわざサンプル付きの返信ありがとうございます。
勉強になりました。
自社内では、製作部門への使用可能なPDFプリセットの徹底はできているのですが
代理店からのデータ受けの場合校正用に用いるPDFの使用まで指定できていないのが現状です。
今後のデータ作成では上記のような状態を考えるとオーバープリントではなく透明効果で乗算する方が安全と考えた方が良さそうですね。
この方向での要望依頼ならまだ可能性があるので検討してみます。
実際問題、弊社のクライアントの場合オーバープリントが設定されている場合ほぼ確実に設定ミスなんでしょうけど。
特殊なデザインで、デザイナーがオーバープリント使いたい場合はどんなデータ作れば良いか大抵事前に相談ありますもんね。
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ひとつだけ申し上げておきたいのですが、オーバープリントと乗算は、ロジック的に異なるものですので、ごっちゃにされないほうが良いかと思います。
オーバープリントの代替として乗算を使うというのは悪手ではないでしょうか。
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一応ですが。
Adobeのほうでは、2016年以降からは「PDF&出力の手引き」という、データ作成者向きの出力ガイドを、毎年公開しています。
完全とはいえないところもあるのですが、PDFの各プリセットについても具体的に解説していますから、これを一読するだけでも認識をきちんと持てるようになっているものです。
https://blogs.adobe.com/japan/design-printguide-2020/
現状では、PDF自体は作成者が適正に作ることが必要なものになっています。
よって、出力側ではなく、データ作成者がきちんと責任を負うべき状態になっているといえるところです。
作成者がダメなことをすれば、そのあとの出力はどう考えてもダメな状態にしかなりません。
ただし入稿される側としても、自己防衛のために、データチェックをすること自体は欠かせないのもまた事実です。
そのために、たとえばですが、Acrobat Proでのプリフライト等でのチェックをしたり、RIP演算したあとのTIFF等での確認を行うことも同時に求められることにはなります。
このあたりはある程度、市井の情報を追っていることで一定の対応は可能ですが、限界があるのもまた事実で、結果としてチェックする方法や効率化が、受け手としてのノウハウになっているのもまた事実です。
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元々PDFというのは様々な用途に利用されるものです。そして印刷に利用されるタイプのものはそれらの中のごく一部です。わたしたち印刷に携わる者はそれらの特性の違いに敏感であるべきです。汎用ファイルフォーマットを利用しているのですから目的から外れた用途の物を利用してしまうと途端に痛い目にあいます。