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お世話になります。
素材動画をPremiereProCCに読み込むと、
その動画を直接動画プレーヤーで開いた時よりも少しだけ色が濃く表示されてしまいます。
空の雲は実際より白く、人の顔は実際より肌や影が濃くなってしまうような感じです。
試しに、そのままシーケンス上にドラッグし、何も処理を加えず動画を書き出しました。
素材動画を開いたのと同じプレーヤーで再生してみると、
やはりソースモニター・プレビューで見たのと同様に濃く表示されてしまいます。
素材動画を、動画プレーヤー上で見た色味のままPremiereに取り込み、
編集するにはどのような設定や方法が必要なのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
Windows10Home
PremieProCC(v13)
素材の動画の形式:HEVC
試した動画プレーヤー:MPC-BE
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色々な可能性があるので原因は特定できませんが、症状が出ている映像ファイルの仕様(レンジが8bit換算で0-255なのか16-235なのか、色域がBT.709なのかそうではないのか、など)やMPC-BEの設定、Premiere Proの環境設定-一般で「モニターのカラーマネージメントを有効にする」のチェックの有無が関係してくるように思います。
一般的なHDビデオ映像(BT.709のビデオレンジ16-235)の場合、Premiere Proを経由することで色が変わってしまうことはないのですが、例えばレンジが0-255の素材を読み込んでMP4などへ書き出しする場合は16-235への変換がされます。
MPC-BEのレンダラーの統計情報で色域やレンジの表示ができるようなので、そのあたりを確認していただくと原因がつかめるかもしれません。もしかするとグラフィックのドライバ設定も影響しているかもしれませんので、どの表示が正しい状態なのかも確認する必要があると思います。
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返信有難うございます。
お返事が遅くなってすみません。
ご教示いただいたものをひとつひとつ調べてみました。
>PremierePro の環境設定-一般-モニターのカラーマネジメント
結論から言うと
カラーマネジメントの切り替えではあまり変わらないようでした。
確認したところ、OFFの状態でした。
カラーマネジメントのON/OFFすると、わずかに色が変化しました。
色の濃さでいうと
Premiere上で、カラーマネジメントON>カラーマネジメントOFF>>>>>元動画をMPC-BEで再生
という感じです。
>元動画のカラーレンジなどの情報
MPC-BEのプロパティで確認したところ、
ColorSpace : YUV
colour_range : Full
colour_primaries : BT.709
transfer_characteristics : BT.709
matrix_coefficients : BT.709
となっていました。
(あまり良く分かってはいないのですが、、、)
要するに、PremierePro側のレンダーの色空間などの設定と
動画プレーヤー側のレンダーの設定のズレがあるために色が違って見えていると理解しました。
>グラフィックドライバの設定
確かに元動画のプレーヤー上での見え方が正しいとは限らないですね。
いくつかプレーヤーを試してみましたが、ずいぶん色味が変わるのですね。
VLC、WindowsMediaPlayer、GOMの中では
VLCが最もPremierePro上の見え方と近く感じました。
動画の色編集の指示は、元動画の撮影者からいただくのですが、
先方が使っているプレーヤーがQuickTimeなので、
premierePro上の素材の見た目をQTに合わせられるといいな・・・と思っています。
そもそも、可能なことなのでしょうか。
もしお返事がいただけるなら、よろしくお願いいたします。
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最終目標が、
>動画の色編集の指示は、元動画の撮影者からいただくのですが、
>先方が使っているプレーヤーがQuickTimeなので、
>premierePro上の素材の見た目をQTに合わせられるといいな・・・と思っています。
とのことですので、先方がMacのQuickTimeプレーヤー(カラーマネージメントあり)なのかWindowsのQuickTimeプレーヤー(セキュリティリスクのため推奨されていませんが、おそらくカラーマネージメントなし)なのか、といった違いも考慮する必要がありまして、そもそもディスプレイ自体の色域やそのずれ幅、輝度などの設定値の問題もありますので、ある程度厳密に考えますと「不可能」とまでは申しませんが「けっこう難しい」ことだと思います。
>カラーマネジメントのON/OFFすると、わずかに色が変化しました。
>色の濃さでいうと
>Premiere上で、カラーマネジメントON>カラーマネジメントOFF>
という挙動から、おそらくOSのカラー設定は標準的なsRGBかと思います。カラーマネージメントをONにすると、シャドウ部分が少し締まった(暗くなった)感じで若干メリハリが強くなるので、色が濃くなったように感じるのではないかと思います。
専用のハードウェアによる接続でRec709 ガンマ2.4に設定した業務用SONY製有機ELモニターに表示させた内容と、Premiere ProのカラーマネージメントをONにした状態でDELLの標準的なsRGB色域モニターに編集画面を表示させている状態を並べて見る限り、感覚的には両者はわりと近い表示です。
OSのカラー設定やお使いのディスプレイの色域が正しいと仮定しますと、カラーマネージメントONで使う方が技術的には適していると思います。しかし一方で、すでにご経験されている通り再生環境によっても色が変わるのが現状ですので、最終用途によってはカラーマネージメントしないで表示した状態の方が最終用途での表示に近いということもありえるわけで、なかなか説明が難しい部分ではあります。例えば、YouTubeの表示はカラーマネージメントされているか?といった疑問もあります(いずれ、自分で調べようと思いつつ、調べていないのでわかりません)。
「先方」の環境次第ですが、「Premiere ProでカラーマネージメントをONにした状態」が、先方での表示に一番近いという可能性もあります。
なお、Premiere Proで色補正せずに書き出しても色が変わる件は、元素材のカラーレンジが「FULL」になっているので書き出し時に「Limited」へのレンジ変換が行われているはずなのですが、再生に使用するソフトが正しく解釈していれば、これ自体は色味の変化と直接の関係はないと思います(私は深く検証していないので誤りがあるかもしれません……)。
書き出し前・後のファイルを、VLCなど他の再生ソフトで比較するといかがでしょうか。また、書き出したファイルを先方にお送りして、先方の環境でも検証していただくのも良いのではないかと思います。
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横から失礼致します。
おっしゃるように、再生するソフトによって表示される色味が変化することが多々あります。
テレビ業界の古くからの慣例では「そもそもパソコン画面での動画の表示は確実なものではない」という認識が強く、基本は専用のハードウェアなどをパソコンに接続し、外部へ出力して確かなモニター画面で、詳細を確認することがほとんどです。
しかし、昨今、パソコン上で完結し、Webなどさまざまなメディアへの動画アウトプットが増えてきていることをふまえると、やはりパソコン上で確かな確認をしたいですよね。。
その対応策のひとつとして「モニターのカラーマネージメントを有効にする」が機能として搭載されたようです。それでもまだまだ最終アウトプットと、PremierePro上での見た目との調整が難しいように思います。。もう一踏ん張り頑張って進化してほしいところだと思いますが。。
ただ、今回のお話は、単純に表示だけの問題ではなく「なにもせずに書き出すと色味が変わってしまった」ということですよね。Ckunさんがおっしゃられているように、書き出し時、元の素材とは別のコーデックやフォーマットで書き出されたりしていますか?
また、素材がHEVCなのが気になります。。
元素材が他のコーデックの場合も同様の症状が現れますでしょうか?
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>PCM ittsui さん
ありがとうございます。
元動画と、色処理をしないで書き出した動画のフォーマットは、
HEVCからAVCになっています。(H.264 で書き出し)
そこで試しに、HEVC→HEVCで書き出しをしたところ、
やはり色味が濃い状態で書き出されてしまいました。
また、色が濃くなる現象は、AVCの動画を読み込んだ場合は起こらず、
HEVCの動画を読み込んだ時のみ起こっているようです。
(画面をスクリーンショットし、カラーピッカーで調べました。)
どうやら書き出しの形式に問題があるのではなく、
HEVCを読み込んだ時点、プレビューされる段階で色が既に濃くなってしまっているようです。
>Ckun さん
詳しくご説明いただきありがとうございます。
別環境で、見え方を一致させるのは難しいことなのですね。
カラーマネジメント設定についても、なかなか判断の決め手にかける、
独特の難しさがありますね。。。
>書き出し前・後のファイルの他ソフトでの比較
調べてみました。
元AVC→書き出しAVC Premiere、動画プレイヤーともに同じ色味(差なし)
元HEVC→書き出しAVC 程度の差はあるが、どのプレーヤーでも書き出し後の色が濃くなる
という結果でした。
(カラーレンジはご指摘の通りFULL→LIMITEDになっていました。)
動画プレーヤの中で最も色味に差が出たのがMPC-BEでした。
おそらくMPC-BEが元動画(HEVC)を淡く描画しているのだと思います。
まとめると今回の色味が濃くなってしまう現象の要因は、
おそらくはHEVCをPremiere上に読み込んだ段階で色味がなぜか変化していること、
加えて、MPC-BE上は(おそらく)HEVC形式の動画を他のプレーヤーより淡く明るく描画していることの
複合で起きているような気がします。
問題は回避方法ですが・・・
原因が動画の書き出し形式でないとすると、
Premiere側の読み込みが怪しいのですが、それらしい設定が見当たらない状態です。
長文となりましたが、
もしお手間でなければ、引き続きよろしくお願いいたします。
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返信ありがとうございます。
なるほど、HEVC素材がそうなるのですね。
「HEVC→HEVCで書き出しをしたところ、
やはり色味が濃い状態で書き出されてしまいました。」
とありますが・・・
書き出したHEVC素材をもう一度同じように読み込み、書き出すとさらに色が変化しますか?
もしかすると撮影素材のHEVCだけに起こる現象であれば・・・また何か見える気がします。
いかがでしょうか?
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私の手元にHEVC(H.265)のFULLレンジ素材が無いので同一の検証はできないのですが、AVC(H.264)のFULLレンジ素材ではある程度検証しておりまして、その結果はまきくさんとは真逆の状況となっておりました。
詳細は省きますが、Premiere Proの読み込み・書き出しは問題なく(※)、VLCなどの再生ソフトでは元素材(FULLレンジ)は濃く表示され、Premiere Proで書き出したファイル(LIMITEDレンジ)は淡く表示されます。
(私の手元の環境はNvidiaのドライバ設定や再生ソフトの設定をけっこう変えてしまっておりまして、初期設定の状態とは挙動が異なるかもしれません。)
カラーマネージメントされているMacのQuickTimeプレーヤーで再生しますと、元素材と書き出したファイルはほぼ同じ色味で再生されました。
以上の検証は、FULLレンジ素材とLIMITEDレンジ素材に関するものでして、今回ご質問の件は更にHEVCが絡んでくるので状況は異なりますが、レンジの違いで表示される色味が変わる再生ソフトがある(むしろその方が多い?)ということは言えるかと思います。
PCM ittsuiさんのご返信にありますように、Premiere Proで書き出したファイルを再びPremiere Proに読み込んで元素材と共にタイムラインに並べていただき、比較していただくと色の変化はありますでしょうか。余裕がありましたら、AVC(H.264)で書き出したものも比べていただくとより状況が把握しやすくなると思います。
ちなみに、問題が起きているHEVC素材は、どのようなカメラで収録されたものでしょうか? 差し支えなければお教えいただけますと、解決の糸口が見つかるかもしれません。
(※Premiere Proの色の扱いが問題ないと判断した理由は、同一条件でFULLレンジ・LIMITEDレンジ両方で撮影した素材の差があまり無かった点と、MacのQuickTimeプレーヤーで再生した際に書き出し前後の色の差がほぼ無かったからです。)
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お二方とも返信ありがとうございます。
調査の時間がなかなか取れず遅くなってしまいました。
HEVCを読み込み、HEVCとして書き出すという調査を実行してみました。
元動画(HEVC)を読み込んで、無編集でHEVCとして書き出す…(1)
↓
(1)で書き出したHEVCを再度読み込んで、無編集でHEVCで書き出す…(2)
結果としては、
元動画よりも、(1)が濃く、(1)よりもさらに(2)が濃いという結果になりました。
Premiereのソースモニター上で見た色味が、そのまま出力動画に反映されているようです。
元動画を読み込んだ時点でソースモニター上では既に(1)の色味に変化しており、
その色味を維持したまま動画に書き出されるようです。
さらに(1)を読み込むとソースモニター上で(2)の色味に変化し、と、
おそらくこれが続いていくと予想されます。
>同じ素材を元にAVCとHEVCで書き出した場合
(1)の比較として、HEVCをAVCで書き出しました。…(3)
(1)と(3)を同一プレーヤーで再生して比較したところ、
(1)HEVCの動画が(3)AVCよりも少し濃くなるという結果になりました。
元動画を開いた際のソースモニター上の色味、
書き出し設定のプレビュー画面上でH.264選択時の色味、同様にH.265選択時の色味を比較したところ、
色の濃さでは
ソースモニターの色味=H.265 の色味>H.264の色味
となっている気がします。
ソースモニター上では、元動画のフォーマットに応じて描画を変えているということなのでしょうか。。。
少し、前進した気はしますが、肝心の対処法が今ひとつの状態です。。。
>撮影機材について
素材の撮影はGoPROHERO7で行っています。
他になにか必要な情報があれば分かる範囲で開示致します。
よろしくお願いいたします。
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撮影機材の情報、ありがとうございました。GoPro Hero 6でHEVC収録された素材を入手できたので、私も試してみました。
(Windows 10 Home 1809, Premiere Pro 13.0.3です。)
その結果、GoProのHEVC収録素材がFULLレンジであるにもかかわらず、Premiere ProではLIMITEDレンジとして読み込まれており、白飛び・黒つぶれが発生していました。Lumetriスコープの「波形(輝度)」を、「クランプ信号」のチェックを外してみて頂きますと、(被写体にもよりますが)0を下回る信号と100を超える信号が出てくることから確認できるかと思います。
しかしながら、Premiere ProからHEVCで書き出した素材を再びPremiere proに読み込んでみましても、さらにレベルや色味が変化することはありませんでした。ちなみに書き出しの設定は、「ソースの一致-高速ビットレート」ではビットレートが低すぎて圧縮にる色の変化が出てしますので、レベルを「高」にしてターゲットビットレート60Mbps、最大ビットレート100Mbpsにしました。
話を戻しましてFULLレンジ素材なのにLIMITEDレンジで読み込まれてしまうことに関しては、根本解決ではないものの「エフェクト」の「旧バージョン」にある「RGBカラー補正」を使用し、「ペデスタル」を0.07、「ゲイン」を0.86くらいにしますと、概ね良好に補正されると思います。
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お忙しいところ、素材の検証までしていただきありがとうございます。
お調べしたところ、確かにLumetriスコープ上で0と100を超えた信号を確認しました。
直接要因としては、このレンジの変化ということなのですね。
これは仕様であるという認識でよいのでしょうか。
仕様だとすると、かなり色味が変わるので、
これまでに、あまりこの現象についてネット上で言及されていないようなのが不思議ですね・・・。
また、HEVCをHEVCで書き出し、それを読み込む件については再現されなかったとのこと、
情報ありがとうございます。
こちらの環境で何が要因なのかこちらでも調べて、また明日か明後日に投稿します。
レンジの読み込みに関しては、お教えいただいた旧バージョンのRGBカラー補正の設定を適用することで、
かなりの改善が見られました。今回の素材では少し彩度が落ちたように見えたため、
彩度を上げて使用させていただくことにします。
これでなんとか急場は凌げそうです。とても助かりました。ありがとうございます。
しかし、なるべくは根本からの解決を目指したいので、もう少しだけ、HEVCで書き出した動画の再読込時の挙動を調べ、
HEVCの素材をAVCにレンジの変化なく読み込む方法を私の方でも調べてみます。
一両日で目処が立つか立たないかまたご報告します。
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>これは仕様であるという認識でよいのでしょうか。
私はHEVCやmp4の仕様(レンジや色域などのメタデータが規格化されてるか否かなど)に明るくないのではっきりとは言えませんが、Premiere ProがGoProのHEVC収録素材のレンジを正しく認識していないのは事実だと思います。それが不具合と言えるのか仕様の範囲内なのかは、なかなか難しいところかと思います。
似たような問題としては、PanasonicのV-Log L収録素材のレンジをそのまま読み込めないということもありました。
私個人的には、素材のレンジや色域など任意に変更できる機能があった方が良いのではないかと思っています。
>仕様だとすると、かなり色味が変わるので、
>これまでに、あまりこの現象についてネット上で言及されていないようなのが不思議ですね・・・。
これは推測になってしまいますが、HEVCで撮影・編集している方がまだあまり多くないことや、使われていても色の変化に気づいていなかったり、本格的に編集している人は色補正して済ませたりと、大問題になるレベルでは無いのかなと、個人的には思います。
ちなみに、前回の返信で書きましたレンジ変換時のエフェクトのパラメーターは、Davinci Resolve 15とEdius9にてフルレンジで素材を読み込んだときと、「ほぼ同じ」結果になるような設定です。ここでの「ほぼ同じ」という意味は、他の動画プレーヤーでの結果との見た目の比較ではなく、ビデオ映像の規格に沿って正しく再生できる環境で見た場合の、見た目と波形モニターでの比較です。
ご経験なさっている通り、動画プレーヤーによって色味がまちまちなので、極端に申しますと動画プレーヤー同士の比較は映像の色味調整の基準をとるうえではあまり意味をなさないものとなります。
(最終視聴環境のプレーヤーが特定されている場合などは、そのかぎりではありません)
Davinci Resolveは無償版でもUHD60pの素材を読み込めるはずなので、触った経験がおありでしたらResolveでデータレベル「フル」で読み込んで、H.264のMP4に変換してからPremiere Proで扱うといったこともできるかと思います。
(目的が色補正ですとResolveでそのまま作業した方がよいかもしれず、本末転倒かもしれませんが……^^;;)
また、Premiere Proで完結させるにしましても、今回は「色補正する」ことが前提ということですので、「先方」さんとのやりとりの方法にもよりますが、Lumetriエフェクトでレンジ変換と色補正を一度に済ませてしまっても良いように思います。
以下は余談です。今回は微妙な色の濃さの変化なども気になさっているようですが、細かい色調整のためにはモニター環境が正しい色味であることが大前提となります。
例えば、モニター環境がほんの少し色が薄く見えてしまう環境だったとして、それを基準に調整した場合、正しい色で見られる環境で再生すると全体的に色が濃く見えてしまいます。
PCM ittsuiさんが最初に返信してくださった通り、ビデオ映像を正しく評価するためには専用のハードウェアで出力して放送基準のモニターで見る必要があります(私の検証も、SDI出力を業務用の有機ELモニターと波形モニターで確認しています。ただし4K出力はハードでFHDにダウンコンバートしての確認です)。
とはいえ、そこまでするのはなかなか大変ですので、現在お使いのディスプレイに「sRGBモード」など色域が明記されたモードがあればそのモードの標準値に各設定を合わせたり、Premiere Proのカラーマネージメントを組み合わせてカラープロファイル等の設定を正しく行うなどなど、できる限り「正しい色」で見られるような工夫も必要になるのではないかと思います。
ちなみに、Premiere ProのカラーマネージメントをOFFにしますと、タイムライン上の映像は一切色域変換されずグラフィックボードに送られます。そういった意味では、Premiere Proは「余計な変換」をしません。
いずれにしましても、検証の際には「フルレンジ」と「リミテッドレンジ」の違いと、再生ソフトや再生環境による違いを、分けて考えていただくと良いと思います。
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ご返信ありがとうございます。
ご教示いただいたDavinci Resolveを使ってFullレンジで読み込み後、
素材をH.264に変換することでなんとか対応できました。
素材の数が多くはないので、しばらくはこちらの方法で対応していけそうです。
まだほとんど触っていないですが、無料ソフトでもかなりのクオリティですね。
便利な世の中だなあと思います。
レンジの選択機能は搭載していただけるとありがたいですね。
せっかくなので、Adobeさんに要望出しておきました。
さて、HEVCとして書き出した動画を再読込した場合の色の変化を、
再調査したのですが。やはり読み込むたびに色が濃くなっていきました。
Lumetriスコープを確認したところ、元素材、HEVC出力動画その1、その2の
動画すべてがFullレンジになっていました。(0と100を超える信号を確認)
読み込み時には強制的にLimitedになるのに、
なぜFullとして書き出されているのかこのあたりの挙動に疑問が残りますが、、、
根本的な解決方法の目処が現時点で立っていないため、
ここでひとまず解決とさせていただこうと思います。
お恥ずかしい話、ご教示いただいた内容は初耳のものばかりで、
操作方法以外の技術的な背景についてはとんと勉強してこなかったので^^;
レンジの話や、そもそも2環境間で正確に表示色を一致させるのが難しいことなど、とても勉強になりました。
調査にまでお時間を割いてくださったのには本当に驚きました。
お忙しい中、ご対応ありがとうございます。
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ひとまず解決、ということですが、私の説明不足で誤解が生じている可能性があるように感じましたので、補足いたしますね。
まず、私の手元の環境(Windows 10 Home 1809, Premiere Pro CC 13.0.3)では、Premiere Proから書き出したHEVCファイル(プリセットは4K UHDを使用)は、正常にLimitedレンジとして書き出されています。そして、その書き出したHEVCファイルを再びPremiere Proに読み込んだ場合はLimitedレンジの素材として正しく読み込まれ、圧縮によるアーティファクトを除いてはレベル(色の濃さや輝度)の変化はありません。厳密には、色差信号(YUVのUとV)がクリップするようなので、とても濃い色に変化はあるのですが、これはパソコンモニター上では表示できない部分の信号です(技術的には大事なことですが、今回の件にはあまり関係ないと思いますので詳しくは触れません)。
ですので、
>さて、HEVCとして書き出した動画を再読込した場合の色の変化を、
>再調査したのですが。やはり読み込むたびに色が濃くなっていきました。
という結果については、何か別の要因(何らかのコーデックをインストールしているなど?)があるのかもしれません。
>Lumetriスコープを確認したところ、元素材、HEVC出力動画その1、その2の
>動画すべてがFullレンジになっていました。(0と100を超える信号を確認)
これについては私の説明不足で誤解を招いてしまったかもしれません。
まず、Fullレンジで記録された素材は8bitのコード値の0と255がそれぞれビデオ信号の0%と100%に割り当てられます。そのため、Fullレンジの素材を正しく読み込んだ場合、0%より下と100%を超える信号が出てくることはありえません(リサイズなどの処理で、オーバーシュート・アンダーシュートと呼ばれる、ちょっとした超過は発生する可能性があります)。
従いまして、Fullレンジの素材なのに、明るい太陽が100%を超えていたり、黒い部分が0%を下回っている場合には、Limitedレンジと誤認して読み込まれていると判断できます。これが以前私が返信した内容です。
テレビ放送やDVD・Blu-rayなどで用いられるLimitedレンジでは、8bitのコード値の16と235がそれぞれビデオ信号の0%と100%に割り当てられます。黒より黒いものはないので通常のビデオ撮影映像には0%未満の信号は含まれませんが、100%を超える信号は普通に使用されています。一般的なビデオカメラで撮影した素材には、最大で約109%までの信号が含まれます。また、よく使用されるカラーバーなどのテスト信号は、調整のため0%未満の信号も含んでいます。
Premiere Proは、通常のビデオ編集の設定ですとタイムラインはLimitedレンジであり、Limitedレンジ素材の100%を超える信号も0%未満の信号も正しく扱えますので(一部のエフェクトを除く)、「もともと0%未満と100%を超える信号を含んだLimitedレンジの素材を、色調整せずHEVCやAVCなどで書き出した場合、0%未満と100%を超える信号を含んだままLimitedレンジで書き出される」ということになります。
今回の場合、FullレンジのGoPro素材をLimitedレンジと誤認して読み込まれてしまったことで、本来必要なレンジ変換(0-255→16-235)が行われず、結果的に「0%未満と100%を超える信号が入ったLimitedレンジ素材」として扱われています。この素材を色調整せずHEVCで書き出しますと、そのまま「0%未満と100%を超える信号が入ったLimitedレンジのHEVC素材」として書き出されます。この書き出したHEVC素材をPremiere Proに読み込んだ場合、通常通りLimitedレンジとして扱われます。この素材の信号をスコープで確認しますと、「0%未満と100%を超える信号が入ったLimitedレンジの素材」なので、0%未満と100%を超える信号が確認できます。
というわけで、
>読み込み時には強制的にLimitedになるのに、
>なぜFullとして書き出されているのかこのあたりの挙動に疑問が残りますが、、、
という点については、そもそも最初にFullレンジをLimitedレンジと誤認して必要なレンジ変換をしていないことが原因でして、Premiere Proの挙動としては、「Limitedとして書き出している」ことになります(つまり正常動作です)。
少し表現を変えてまとめますと、
「本来は、Fullレンジの素材は読み込み時に強制的にLimitedレンジに変換して読み込むべきなのに、GoProのFullレンジHEVC素材をLimited素材と誤認しており、FullからLimitedへのレンジ変換をせずに読み込んでしまっている。その結果、Premiere Proで書き出すとLimitedレンジで書き出されるのに、コード値はFullレンジの状態のままになっている。」
という表現もできるかと思います。
(以前の返信で触れましたが、FullレンジのAVC素材についてはFullレンジであることをPremiere Proが認識し、Limitedレンジに強制的に変換されて読み込まれます)
少なくとも私の手元の環境では、「GoProで撮影されたFullレンジのHEVC素材を、Limitedレンジと誤認してしまい、レンジ変換されずに読み込まれてしまう」という現象以外には、特に問題は起きていないということになります。
なお、説明を簡単にするために、ビデオレベルについては色差信号は無視して記述しました。また、パソコン画面上では100%を超える信号は確認できません(パソコンの画面は、ビデオレンジでいうところのFullレンジなので)。
ちなみに、私の仕事は「よくわからないけど色が少し変わるね、」といったことが絶対に許されない職種なので(^^;)、こういった検証は自分の仕事のためでもあります。なので、まったくお気遣いは不要でございます。
更に余談ですが、Davinci Resolveは今でこそ無償版がありますが、以前はハード込みで数千万円規模のシステムでした。元々専門知識を持った人(カラリスト)向けなので、色に関することは何でもできると言っても過言ではありません。そのため設定項目も専門家向けで少々複雑なので、タイムラインの色域などなどデフォルト設定以外で何かしようとすると、なかなか難しいと思います。
私はPremiere Proで編集してタイムラインのデータをDavinci Resolveに送って色調整して再びPremierer Proに戻すといった使い方や、Log収録素材をDavinci Resolveで全部調整して書き出してから、Premiere Proで編集・仕上げを行うといった使い方をしています。
Davinci Resolveの編集機能も充実してきまして、Adobe製品の競合製品になりつつありますが、うまく使い分けして共存できるものではないかと、私は思っております。
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Ckunさん、お返事が遅くなりました。
補足説明をいただきありがとうございます。
「FullレンジHEVCの素材のをLimitedと誤認したまま、レンジ変換されずに読み込まれる」という現象と、
「色味が変わる」という現象は本来相関関係が無いという事なのですね。
今回の色味の変化の原因については、私のPC・ソフトの環境が関係しているかもしれず、
一般的な現象とは言えないと理解しました。
理論的背景については理解が及んでいない部分もありますが、
今回の色味が変化する現象を通して、勉強させていただく機会をいただけて感謝しております。
最後に、同様の現象に当たってしまってこの質問にたどり着いた方のために、
Davinci Resolve15を使用した、HEVC読み込み時の色味の変化の回避方法を記しておきます。
(Adobeのフォーラムで他社ソフトの設定を書くのもどうかと思いますが・・・^^;)
「メディア」画面で、該当クリップ上で右クリック→クリップ属性→データレベルをフルに
「デリバー」画面で、フォーマットMP4、コーデックH.264 に、詳細設定でデータレベルをビデオに
この設定で書き出したAVC素材をPremiereProCCに読み込んだところ、
少なくとも私の環境では色味の変化は解消されました。
何かの参考になれば幸いです。
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ひとつ忘れていたことを思い出したのですが、HEVC(H.265)書き出しを10bitで行う際に「ハードウェアエンコーディング」を使用しますと、正しくないレンジで書き出されるという情報がありました。
おそらく、デフォルト設定の8bitではこの症状が出ないのだと思うのですが、私の手元の環境は「ソフトウェアエンコーディング」しか選べないので検証できず、確認はできておりません。
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