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canon xc15のカメラで、HDの24Pで撮影を考えています。24Pでもシステム周波数(フィールド周波数?)が二つあり、59.94Hzと24.00Hzがあるのですが、このシステム周波数が混在してしまった24PをPremireCCで同じタイムライン上に乗せることはできるでしょうか?というのは、初回の撮影でその違いがよくわかっていなくて設定してしまったのですが、これから継続して撮影していく際の設定をどうしたらいいか悩んでいます。
また、どうしてシステム周波数が二つあるのかも、もしお分かりの方がいらっしゃったらご指南いただけると助かります。
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もしポスプロやMAなど外部の技術会社と組んでのプロジェクトでしたら、最終用途に合わせてそれぞれの技術責任者同士で相談するべきことですが、一般論としてわかる範囲でお答えしてみます。
システム周波数の混在について
23.976fpsと24.000fpsの素材は、ほぼ問題なくPremiere Pro CCのひとつのタイムラインで扱うことができます。「ほぼ」とあえて書いたのは、タイムラインのフレームレートと異なる素材は0.1%の早回しもしくは遅回しにして使用することになるからです。
仮に、23.976fpsのタイムランで編集するとしましたら、24.00fpsで撮影した素材は「フッテージを変換」の「フレームレートを指定」で23.976と入力します。確定すると四捨五入されて23.98と表示されますが、問題はありません。0.1%遅く再生され、23.976fpsの素材として扱えます。
この「フッテージの変換」でフレームレートの書き換え操作を行わないと、速度も音声のピッチも変わりませんが、1000フレームおきに1フレームフリーズしたり、逆に1フレーム飛ぶという状態になります。
0.1%の差はほとんど問題にならないと思いますが、ワンカットを長回し作品ですと同録音声のシンクロ、音楽を題材とした作品ですと音響監督のこだわりなどでわずかなピッチチェンジも許されないなど、注意が必要になるかもしれません。
システム周波数の使い分け
映画館でのDCP上映が主な用途の場合は24.00Hz、ビデオ上映(Blu-ray, テレビ放送などなど)が主な用途場合は59.94Hz(23.976Hz)という使い分けが一般的かと思います。
システム周波数が2種類ある理由
根本的な理由はテレビの白黒放送からカラー放送に変わったときの干渉ノイズ対策まで遡らなくてはならないので割愛しますが、要は現在日本やアメリカなどで採用されているテレビ放送の周波数が59.94Hzであることが主因です。
映画のフィルムは毎秒24コマなので24.00Hzであり、DCPデジタル上映素材も24.00Hzで制作されています。そのため、劇場公開映画を作る場合は特別なことが無い限り24.00Hzが使用されます。
24.00fpsの映画をテレビ放送する場合にはテレシネ作業で2-3(3-2)プルダウンという方法を使い、24*5/2=60で毎秒60フィールドとしますが、テレビは59.94Hzなので微妙に合いません。そこで、ほんの少し(0.1%)フィルムを遅く23.976コマ/秒で再生すると、プルダウン後に59.94Hzのテレビ方式に合致します。
このテレシネの仕組みを逆に考えて、テレビを基準に作られた59.94Hzの編集システムで容易に24pを扱おうと考えた場合、23.976fpsで制作するのが楽ということで、シネマ系ではなくビデオ系の24p制作環境は大抵23.976fpsが使用されています。
23.976fpsで制作した場合は劇場公開できないのかといえばそんなことはなく、単純に0.1%速度を早めて24.00fpsとして上映素材の制作が可能です。
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非常にわかりやすく、ご丁寧に説明いただきましてありがとうございました!
ほぼ、問題なく編集も進められるとのことですので、今まで撮影したものは23.976fpsなのですが、まだ撮影を始めたばかりということもあって、24.000fpsに設定し直して撮影を継続しようと思います。
長編ドキュメンタリー映画の完成を目指してがんばります。ありがとうございました。
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蛇足かもしれませんが、念のため補足いたします。
24.00fpsを選択なさったので劇場公開作品の制作かと思いますが、ポスプロへの編集データの引継ぎの際に、ワークフローによっては先に返信しました内容の「フッテージの変換」がうまく機能しない可能性があります。引き続き23.976fpsで撮影・制作した方が都合が良いと言われるかもしれません。
システム周波数の件以外にもいろいろと注意が必要だと思いますので(予算にも関わってきますのでプロデューサーと相談しつつ)、早めに最終仕上げを依頼する予定のポスプロに相談なさることをお勧めいたします。
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ご丁寧にありがとうございます。まだ走り出したばかりの企画で、体制もこれから整えていくところとなりますが、最終仕上げについてはよく検討して、次回の撮影方針を決めたいと思います。ありがとうございました。